|
検索
カテゴリ
[SPECIAL FEATURE] オーダーキッチン オリジナルスピーカー -------------------------- vol.02 独特なデザインその1 vol.01 カウンターの上を魅せる [BOOKMARK] FRIED BAND LUCCA Salon de Causette kona salon パンノオトBEGEL RAMBLASchocolateria ものヅクリ Kato Kumi TakatsukaCakeStudio テモテナシ savoir-vivre ica associates inc. studio acca CHIBAMANABUARCHITECTS 福原正芳 MA設計室 P's supply homes naughty お料理教室-季節の贈り物- ふるた果樹園 Hot! samukawa 以前の記事
2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 more... ライフログ
記事ランキング
その他のジャンル
画像一覧
|
参考に撮ってきた写真。
この玄関収納のツマミ、ステンレスでできたシンプルなもの。 扉は真っ白なポリエステル化粧板。 本人が気に入っていればどんな素材のものでも素敵に見えるのですが、イメージからかけ離れていれば、どんなにきれいに、どんなに豪華に作っても素敵じゃなくなってしまうのです。 昨日は横浜の米軍住宅のそばのSさんのお宅に打合わせに行ってきました。 お仕事が終わってからの午後6時から打合せと言うことだったので、幾分涼しくなっていいかなと思い、春の陽気に誘われた虫のように自転車で駆け出しました。 でも、まもなく後悔。 工場から横浜に出るには「いずみ野」、「緑園都市」、「東戸塚」、「井土ヶ谷」とそれぞれ丘のようなアップダウンを長々と走っていくのです。そこまでは、何度か走ったことがあるので勝手が分かっていましたが、中村橋を渡って前を見た途端に心が砕けるような坂が現れました。 でも、一応それなりの格好をしてきているので、下手に自転車を降りられません。だって、こんな格好しているのに自転車押していたらなんだか情けないですから。 坂の上からゆったりと降りてくるお買い物に向かうおばさんたちに「何かしら。」と思われるほど、喘ぎながらどうにか到着。 さて打合わせです。 Sさんは現在リフォーム中なのです。そのリフォーム屋さんのお話です。 あまり、人さまのことを悪く言うのは好きではないのですが、昨日のSさんのお話を聞いていたらなんだか切なくなってしまったので書き留めておこうと思います。 2月にお問い合わせを頂いた頃はまだリフォームを検討されている状態でした。その頃に私が出したプランと見積もりは予算が合わなかったためにキャンセルして、家具はリフォーム店にお願いする予定で考えていたのだそうです。しかし、結局その食器棚は私たちが受け持つことになりました。 何があったのでしょう。 リフォーム当初は、気に入った感じの建具が取り付けられたりと段々とできあがっていく様子が楽しみだったのですが、それが仕上がりに近づくに連れて段々とちぐはぐな感じになってきたのだそうです。全然まとまりがないわけではないのですが、白を基調に考えていたのが、ある場所は真っ白で、ある場所は白い木目で、ある場所はアイボリーでと少し違うのです。 Sさんが言うには、「今回イマイさんに図面を渡されて、初めて、ああ、こういうふうにきちんと図面があるものなんだな。」って思ったのだそうです。そのリフォーム屋さんとのやり取りは、口頭で決めたことが多く、書面に残っていないものが結構あるようでした。私たちに家具を頼むきっかけとなった、リフォーム屋さんのほうで作った玄関収納はSさんのイメージとかけ離れたものだったのです。おそらく家具屋さんが作っているのでしょう。作りはしっかりとしています。でも、何だか安っぽく見えてしまうのだそうです。 出来上がるまでに知ることができたのは「白い感じで作ります。」と言う約束と、平面図(上から見たプラン)だけだったのです。なので、できあがってみないと形がほとんど分からない状態だったのだそうです。そして、その出来を見て、「やはりここではもっと細かい要望のある食器棚は作ってもらえそうにない。」と思ったのだそうです。 キッチンとダイニングを仕切るところにある対面カウンターにしてもいろいろと問題があったようです。Sさんの希望は白いカウンターで板の各角を手が痛くないように丸くしてほしい、そして廊下側の角は歩いていてぶつけやすいので大きく丸く変形させてほしいと望んでいたのだそうです。希望は伝えましたが出来上がってきたのは、真っ白なカウンターで廊下側の角は完全な丸ではなく途中でアールが途切れて角が残って当たると痛いままになっています。 「これ以上はできないのですか。」と聞くと「これで丸くするのは限界です。」と言われ、色も本当はオフホワイトか白い木目を希望していたのに、ついたカウンターは真っ白。 「他の白はないんですか。」と聞くと「白はこの一色しかないんですよ。」と言われたのだそうです。 そんな適当な返事は本当にいけません。 私は今回の食器棚の打ち合わせをするにあたって、化粧板のカタログを持参していきました。 それを見て、Sさんはとても残念そうでした。 「白でもこんなにいろいろあるのですね。それと、丸いカウンターもあるのですね。」 そうなのです。よくマンションの対面カウンターなどに使われているポストフォーム加工をされた板はメーカーがいろいろな形に加工をしてくれるのです。現にそういうものが流通しているのに「白がこれしかない。」と言い切ってしまうとは・・。 自分の知っていることを教えてほしいと望んでいる人に伝えないのは悪いことだと思います。 全てを伝えてそこから相手に希望していることを自ら選択してもらうことが正しいことだと思います。 良い加減を、いい加減を勘違いして適当なことをしている人たちがまだ居るのだと思うと悲しくなります。 ある程度のところで仕事を容量よく済ませて、利益を優先させている人たちがまだ居るのだと思うと悲しくなります。 きちっと利益を確保している分、宣伝だけはしっかりとしていて名前だけは有名なところがあるかもしれません。今回、Sさんにはどこのお店にリフォームを頼んだのかは聞きませんでしたが。 いい加減にそういうことが無くなればいいなと思って、ホームページでいろいろなことを伝えても そういうことが多いようでは自分のしていることも否定されているようで悲しくなります。 私は今まで、リフォームにかかわっていたと言えば、RECの仕事だけだったので、 (他にもありますが、他の方との付き合いは家具屋として家具の納品するだけが主だったのでお客さんの顔を見ることが少なく、どんな家具を希望していたかは業者さんを通して知るだけでした。が、RECとする場合だけリフォームの最初から最後までつき合わせてもらっていました。) RECの仕事を見ていると、本当に細かいところまで、まるで看護婦さんのように(私が以前入院した時の看護婦さんは何でも覚えていてくれるすごい方たちでした。)議事録を作成して、全て内容をつけ合わせしてから、図面を作ってから、ようやく契約としていたので、(先日もRECの西森さんが、あとは契約と言うところまで言って、もっと安い業者さんに乗り換えられてしまったよ、と悲しそうに言っていました。)今回のSさんのお話を聞いて、そんなに簡単に口頭の約束だけでお話を進めてしまうところがあるのに驚きました。 最近はリフォームされる方が多いですが、 リフォームはオーダー家具と同様に完成品がないため、イメージがつかみにくいところがあると思います。だから、それが分かるような打ち合わせをしてくれるところじゃないと自分のイメージに合う空間を作るのは難しいです。とことん打合わせができて、さらにその打合わせの記録がいつでも見れてという業者さんじゃないときちんとしたりフォームは難しいのかもしれませんね。 何だかいろいろと考えさせられた打合わせでした。 でも、アイボリーや真っ白や白い木目が混在している場所でも、それぞれがうまく調和するような(ちょっと大げさな言い方かな。)家具を、私たちはがんばって作ります。 Sさん、楽しみに待っていてくださいね。 そういうふうにいろいろなお話をしていたら、Sさんのお宅を出る頃にはあっという間に夜の9時を回ってしまいました。 そういえばさっき、打ち合わせ中に独立した「number8」の鈴木君から電話があったのでした。 ちょっと遅くなってしまったのですが電話をすると、まだ工場でがんばっているとのこと。 帰り道は彼の工場のそばを通るのでお邪魔することに。 「いやあ、一人は寂しいですね。」 鈴木君はそう言っていました。確かに夜10時を過ぎた現在、ラジオも消すと本当に静かなところです。 鈴木君は、今月から仕事を始めたばかりなので、まずは知り合いの家具屋さんから仕事をもらって、そして、うちからも大和のKさんの家具を1台手伝ってもらっているのです。 「一人で始めてみて、家具を作る以外の仕事が大変なことがわかりました。」とボソっと言っていました。今までうちに居るときは家具を作ることに専念できたけれど、今は何をするのも自分ひとり。 家具を設計するのも、打合せするのも、取り付けるのも。 それはとても大変なことです。 これからが本当に大変だと思います。しかし、自分で歩き出した道だから覚悟をしてがんばっていってほしいです。私たちもずっと応援しているので。 そんな鈴木君を見て、以前のうちのことを思い出しました。 今から6、7年前だったと思います。 その頃は、インターネットなんてほとんど知らず、パソコンもそんなに使ったことのない頃でした。 その頃の仕事は専ら、工務店や内装屋さん、店舗屋さん、リフォーム屋さんなどからもらう仕事が主で、家具を作ってはそれを取付、納品して終了、と言うサイクルでした。 ちょうど景気が良くない頃で、うちもだんだんと仕事が少なくなって、その年は年の初めからなんと半年も仕事がなかったのです。 今考えるとよく今があるものだなと思います。 その頃は、両親と私と土江さん、小笠原さん(現アクセンツ)、伊藤君と言う二十歳そこそこだけどとても仕事のできる子で会社を切り盛りしていました。 しかし、その時は本当にすることがなくて、またこの先どうして言ったら良いかも分からず、でも仕事が入ってくるのを待つだけではいけないと思い、どうにかパソコンを使ってチラシを作ったのです。 全部で30000枚くらいは刷ったと思います。その為に印刷機も導入して。刷っては車で住宅街まで走ってポスティングです。 なかには、「あら是非うちを見ていってくださいな。」と言ってくれる方も入れば、「うちには入れていかないでくれ。」なんておっかない顔して言われたことも。 マンションなんかは管理人さんに「困るんだよ。」と怒られたり、反対に「チラシを入れられると困るけれど、そういう話があったら勧めてあげるからここにチラシを置いていっていいよ。」と管理人室に置かせてもらったりといろいろありました。半日配ってお昼を食べてまた配って。そんな日が結構続きました。 チラシなんてすぐには効果は出ないからと思っていましたが、一向に電話がなることもありません。 それからだんだん配ることが悲しくなってしまい、またちょうど夏頃からまた内装屋さんからの仕事がポツポツ入るようになりましたので、その後チラシ配りはやめてしまいました。 あの時は本当に不安で毎日寂しかったですね。 ちなみに、チラシを見て結局どれだけ反響があったかというと、きちんと家具を作らせていただいた方は1件です。チラシを配って確か1年くらい経った後に、「実はチラシを見てお電話しました・・・。」と問い合わせを頂きました。 その方が、no.b-12「味わい」の茅ヶ崎のSさんです。 あの時は本当にうれしかったですね。「ああ、チラシ配っていて良かったな。」と。 今でこそ、ホームページを見ていろいろなご相談を受けていろいろな家具を作らせていただいておりますがここまで来るのが大変だったなあと鈴木君と話をしていてそんなことを思い出しました。
by freehandimai
| 2007-04-20 23:00
| 考える
|
ファン申請 |
||