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その頃は、数十台から百台近くの集合住宅向けの作り付け家具(トイレの吊戸棚や食器棚や対面カウンターの下につける収納など)をまとめて手掛けていた時期でした。 今からもう10年以上も前の話ですね。 その時に作った家具の1台が匂うと言うご連絡をお客様から頂いたのです。作ってから2年以上が経過していました。当時はすでにフォースター性能の化粧板に切り替わっていた時期なので、大昔のようなきつい臭いのする化粧板はなかったので何か匂うのだろうと思い、見に行ったのですが、収納の扉を開けるとわずかながら化粧板の匂いが残っているんですね。私たちは普段いろんな材料を使っているので鼻が慣れてしまったので、それまであまり気付かないことだったのですが、毎日開け閉めしているお客様にとっては気になる。 父も私も、化粧板の匂いというものはメーカーが化粧板を工場から持ってきてまもなくは匂うのですが、空気に触れていることでそのうち消えると思っていたものですから、「もうしばらく使ってみて頂けますか。」とお客様にお話をして、その場を帰ってきたのですが、やはり半年経っても変わらないのでした。 化粧板の板それぞれによっても匂い方は違うのだと思いますが、他の家具では感じないのに、このカウンター下収納だけはその匂いが気になったのでした。 それは、収納の中と言うことで、通気があまりないためか、特に暑い季節には匂いがこもっていると言う感じでした。 やはりこれは不快だ、と言うことで作り直すことに。今度はポリエステル化粧板ではなく、強化紙と言う紙にコーティングをして表面を丈夫にした板を使いました。底の粗い和食器などを擦っていると、そのうち表面がはがれやすかったりとグレードは少し落ちますが、匂いは全くありませんでした。 それから、ポリエステル化粧板について見直すことになったのです。当時はまだ全く注目されていなかった「無臭ポリエステル化粧板」。 アルプスカラーという化粧板メーカーの営業の人が、「今度新しい化粧板を出したんです。」と挨拶に来た時も、「どんなメリットがあるんですか。」と聞くと、「匂いがしないんです。でも、まだできたての製品なので、ちょっと高いんです。」と。 匂いがしないだけで、高くなるのはイヤだなあ、なんてそれまでは思っていたのですが、これを機に使ってみることに。 以前にも書いたかもしれませんが、それから1年はけっこう大変でした。匂いはしないのですが、まだできたての製品なので、安定しないのです。プレスに入れると、デコボコになってしまうくらい表面がとても柔らかかったり、塗料が硬化する前に気泡ができて弾けたらしいクレーターのような穴がポツポツと無数にできていたり、3×6尺(910mm×1820mm)サイズのうちの端っこ5cmくらいがグルッと色が変色して使えなかったり・・。 これは、樹脂を硬化する時に使うスチレンを使わないで作るためこういった不良が出やすかったのです。匂いの原因はこのスチレンで、フォースター性能のものでも、スチレンによって匂いは出るのでした。 もったいないことですが、1/3くらいが使い物にならなくて不良だったかもしれません。使っては、改良点を営業さんに伝えて、その都度新しいものになって、それをまた使って、また改良して・・・。1年くらいで、「ようやくこれでベストと言えるものができました。」と言う化粧板は、硬さも良く、色も良い製品でした。当然匂いもしないし、普通のポリエステル化粧板と同じように使えます。 それからはこの化粧板を常時使うようになり、匂いを気にすることはなくなったのですが・・・。 先日からあの化粧板の匂いが2階のショールームやスタジオでするようになりました。 ちょうど先週の土曜日あたりに下の作業場や倉庫に置ききれなくなった家具を、一時2階に保管していたのです。 火曜日あたりから匂いがさらに強くなってきました。まさか、また化粧板が悪いのだろうか・・。ついこの間まで普通に使っていた化粧板なのに何で急に・・。 原因が分からないので、ひとまず、家具をパーツごとに分けてみて、どこから匂うのか調べてみることに。 扉か・・、天板か・・。 でも、家具に鼻が触るくらい近づけて匂いを嗅いでも、別にきつい匂いはしません。するのは部屋全体から。 下の作業場が空いてきたので、ほとんどのパーツを階下に降ろして、全部の窓を開けて、換気扇を回して一度匂いを飛ばしたのですが、しばらくするとまた匂ってきます。 じゃあ、あそこに置いてある扉か・・。作り直しかな・・。 なんて思っていたのですが、ふと気がつくと、匂いがしているのは、扉があるあたりではなく、父が作業をしているスタジオ付近。 「いつまでも匂うよなあ。」と父。 そうだなあ、なんて思いながらスタジオの方に向かうとある場所でとても匂いがきつくなる・・。 何でだろうと思って回りを見回すと、幸福の木から丸くて白い花が・・・。 どれどれ・・、おぅ、これです。 この匂いです。まるで昔の化粧板のようだ。あとで押し花作家の佐藤先生に聞くと、「これはジャスミンの香りに良く似ていますね。」とのこと。強くなければ良い香りなのでしょうけれど・・、それにしてもとても強い匂いです。 換気扇を止めると30分もしないうちに部屋中がこの匂いになる・・。 原因が分かってひと安心。 11年目にして始めて咲いたこの花。幸福の木が花をつけるのは珍しいことなのだそうです。 ------------------------------------------------------------- our web site 注文家具屋 フリーハンドイマイ
by freehandimai
| 2010-07-08 19:52
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