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最初のうちは見るもののほとんどが怖いものだと思っていたハルカ。 古く錆びて、ところどころくたびれた大八車も、頭上にかかる杉玉も、古い民家に踏み込んだ途端に感じるヒヤッとした感じやその暗さ、そしてちょっと湿った臭いや燻された香りの全てがちょっと怖いもののようでした。 むかしの家は、本当に暗くて日の明るさがとても優しく見えて、ああ、そうなんだってあらためて思ったわけです。 でも、民家の中で火をおこしているおばあちゃんや、あやとりをしているおばあちゃん、うすで米を挽いているおじいちゃん、草でバッタを編んでくれるおばあちゃん、お茶を立ててくれる茶道部のお姉ちゃんたちに出会うことで、ハルカにとって暗いおうちはお化けちゃんが住むところではなく、みんなが生き生きとしている場所だってことが分かったようです。 子供の時は電気が消えた隣の部屋に行くのも何だか怖かったし、おばあちゃんの家の暗闇にはきっと何か居るって思っていたし、夜中に起きるとお化けちゃんに出会っちゃうよって思っていたのです。 次第に大人になるに連れて、次第に暮らしが便利になっていつも明るいことが当たり前になるに連れて、本当はいろいろ暗いってことを忘れてしまうのでしょう。 本当はその暗いところにいろんな神様が居て、みんなが悪いことをしないように見てくれているのに、明るくなるに連れて暗闇がしらけちゃって、何だか端っこまで明るく見えちゃったら、そんなの本当に居るかどうかなんて分からないじゃないかっ、僕は端っこまで見えていれば歩けるんだよってむきになっちゃって。 見えないものを大切にすること。 優しい暗闇はそれを教えてくれるんじゃないかなって思うわけです。 ------------------------------------------------------------- our web site 注文家具屋 フリーハンドイマイ
by freehandimai
| 2009-05-07 08:10
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